仕事の話アレコレ

「Webデザイナー、これからの10年」から3年

今から3年ちょっと前、「Webデザイナー、これからの10年」というエントリーを書きました。
あれから3年経って改めて記事を読み返してみて、世の中は当時の自分が思っていた以上に速いスピードで動いているのではないかと感じる今日この頃なのです。
Webデザイナー、これからの10年 – 仕事の話アレコレ – Writing Mode

時の自分と比べれば少しは精神的に成長したはず(そう信じてる)なので、そうした自分自身の心境や考え方の変化も含めて、改めて今現在の自分の立ち位置からWeb界隈を眺めてみた時の光景を、ここに書き記しておきたいと思います。
これから先の3年でまた、いろいろと世の中の見え方は変わるんだろうな、と思いつつ。

人工知能(AI)が人間の知能を超える「2045年問題」

AIはいつか人間の知能を超える。映画のような、でも、いつかは現実になるであろう話

人工知能(AI)が巷ではこれからのビジネスのキーワードのひとつになってます。
いろんなことがオートメーション化されていく世の中。最近はGoogle Analyticsの解析だってAIがやってしまうって言うじゃないですか。
この先、人間にできる仕事には何が残っていくんだろう、という素朴な疑問が湧いてきます。

経済のプロ40名以上が明かす、ロボット時代に「生き残る会社」「なくなる仕事」~2020年の日本を大予測! あなたの会社は消えているかもしれない | 経済の死角 | 現代ビジネス [講談社]

プログラマーは近い将来なくなる職業だとか言われていますが、デザイナーだって然り。
真っ白いキャンバスにゼロから時間をかけて絵を描くような仕事は減ってきているし、そうしたあらかじめ「型」の決まったデザインはロボットが肩代わりしてくれる時代もそう遠くなさそう。

人工知能がWebをデザイン – AIが自動的にサイトを生成/改善する”The Grid” | freshtrax | btrax スタッフブログ

AIが人間を超えるその瞬間を「技術的特異点(シンギュラリティ)」と呼び、アメリカの発明家レイ・カーツワイルは2045年を境に、AIが人間の知能を超えることで世界が大きく変わるだろうと予測しているそうです。

技術的特異点 – Wikipedia

シンギュラリティが本当に起こるかどうかは、まだ数10年先の未来なのでわからないけれど、遅かれ早かれロボットにより仕事の自動化が進むこと自体は間違いないでしょう。
人間の職業は次々とロボットに奪われて、我々はより短いスパンで新しい知識を吸収して変化し続けることを求められるわけです。そうした時代の流れのなかで自らの役割を見失い、焦りや不安に苛まれる人たちも増えていくのかもしれません。

とはいえ、単純作業は自動化されていく一方で、最終的に単純化しきれない人間らしさは残り続けるのでしょう。
昨今「ハンドメイド」「手作り」が注目を集めているのは、結局、その人にしか作れないオンリーワンである作品に価値があるから。

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ロボット化が進み、大量生産が当たり前になるなかで、逆に昔ながらの手作りの価値は高まっているのかもしれません。

グロースハックとシンボル化

作業はできたとしても、結局ロボットは人間の代わりにはなりえない。少なくとも、僕らが生きているうちは

僕はWebの仕事をはじめて今年でちょうど10年。この10年だけを見ても、あっという間に新しい技術に置き換わったものがたくさんあります。たとえば10年前、当たり前に使われていたFlashは、今ではほとんど見ることができない。

最近はWebサイトやWebサービスを作って公開するというハードルはだいぶ低くなっているから、ゼロからイチというより、すでにできあがったものに対して細かく改善を加えていくためのグロースハックが非常に重要視されています。
アクセス解析、A/Bテスト、ヒートマップ、ユーザーテストなど、正直とても細かい「KAIZEN」の世界なのだけれど、これはこれでとても楽しい。
何かを変えることでうまくいかないこともあるけれど、現状を少しでもよくしようという試みは絶対に必要で、グロースハックに終焉はない。

そして変化の激しいWebの世界で仕事をしているからこそ、最近は逆に変わらないものこそ重要視するようになった自分もいます。年齢的なことはもちろんあるのだろうけど、物事をより一層概念で捉えて考えるようになった。

環境に合わせて変化はし続けなくちゃいけないと思うけど、人々のマインドだったり、組織のカルチャーといった、簡単には変わらないものを作ろうとする(シンボル化する)ことこそ、デザイナーの役割じゃないかと思う。
そしてロボット化されず人間にしかできない仕事は何だろう? の答えは、結局のところ直接人間を相手にする仕事なのだと思います。

人間が行うコミュニケーションは非常に複雑。「YES」が「NO」の意味を持ち、「NO」が「YES」の意味を持つことさえある。「空気(行間)を読む」ようなコミュニケーションを良しとする日本人の場合は特に複雑で、正直ワケわかんないことも多い。

心理学者のアドラーは、人間の悩みは基本的にすべて対人関係の悩みだと言いますが、これはその通りだと思います。「コミュニケーション」は社会を生きる人間が持つ永遠の課題。

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え
幸せになる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教えII

ロボットについていく人間はいない

みんなでやれば怖くない。それはそうだと思うけど、みんなが一丸となる空気を生むって本当に難しい

ビジネスパーソンとして、リーダーシップやマネジメントということを最近よく考えます。

「この人についていこう」「この人なら信じられる」という感覚はとても人間的でなかなか説明の付かないものですが、リーダーは不思議とそうしたカリスマを持っているはずで、これはロボットは決して持ち得ないものなのだと思う。

仲間が増えれば増えるほどメンバーの一致団結は困難で、みんなにとってよい環境、みんながモチベーションの高い状況を作るのは本当に難しい。
そもそも仕事って、精神的に追い詰められるケースがとても多い。みんながやりたがらないことにこそビジネスチャンスはあるものだけど、やりたくないことにやる気を出すことなんて、なかなかできない。

ビジネスの世界はスポーツの世界と違って、何をやるかが厳密に決まっておらず、むしろ何をやるか(ビジネスプラン)を考えることこそが仕事だったりする。そして、これまで述べてきた通り、一旦やることを決めたとしても、それはほんの数年で簡単に変わっていく可能性がある。
だから、何をやるか以上に、誰とやるのかはすごく重要だと思う。

僕も含めて、人間って実は本気でやりたいことがなかなか見つけられないから、まずは自分たちがやるべきこと&やれることを一緒に探そうと思えるチームを作れるかどうかが大切なんじゃないでしょうか。そのために必要なのは、結局、自分とは価値観・考え方が大きく異なる人も含めて、一人ひとりと向き合って、話をするしかないのではないかと思います。

話をすると言っても、対話の仕方も人それぞれ。僕自身、対人コミュニケーションは決して得意ではない(だから、デザイナーという職業を選択したわけです)から、チャットやメールといったツールも活用しながら対話できればよいと思います。相手によっては、チャットやメールのほうが会話が弾むケースも多い。

ただ、僕の場合は対人コミュニケーションが苦手であっても別に人間が嫌いなわけじゃない。人のために役立ちたいという貢献欲求もあれば、人に認められたいという承認欲求もある。
それでも、人の気持ちは結局よくわからないものです。ちょっとしたことがきっかけで人間関係はダメになる。そんなつもりないのに、なぜそう伝わった? という失敗も多々。

そんな経験を幾度も重ねつつ、それでも今一緒に働いている人たちと、これから一緒に働くであろう人たちを、最高の仲間と呼べるようなチームにしようというチャレンジは続けていきたいと思う今日この頃。
それが、「Webデザイナー、これからの10年」から3年後の今。

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  1. @mkt_f

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